認知症の人同士のやりとり
ある大学の先生は、「認知症デイサービスは、認知症の人だけを隔離しているアウシュビッツのようだ」と言っていたそうだ。
そんな見方をする人がいるのかと驚き、悲しいなーと思った。
さて、認知症デイサービスのメリットは、互いに忘れること?
なんのことやら?ですね。
記憶力バッチリという人が認知症の人と話をすると「何度も同じ話をして嫌・・」と不機嫌になることは、よくあること。
そうなんです。
認知症の人同士だと、互いに忘れていることを批判しないから、楽しい雰囲気になるのです。
互いに同じ話を繰り返したり、つじつまが合わない話をしています。
だけど、笑い、あたたかな空気が生まれています。
自分は、認知症だと病気の自覚のある人にとっては、同じ認知症の仲間に自身の悩みを話します。
同じ病気の同じ仲間。
だからなんでも話せるのです。
冒頭で書いた大学の先生は、ガン患者の方の集まりに対してアウシュビッツのようだとは言わないでしょう。
認知症の人は、何も分からない人という、認知症に対しての理解不足。
認知症の人は、よく分かっています。
「いい人」なのか「嫌な人(見下している人)」なのか。
嫌な人のところには、認知症の人は、集まりません。
不思議なほど、人は集まらないのです。
認知症の人は、上手く伝えることは苦手ですが、純粋に人を見ています。
そんな認知症の人、私たちスタッフも真摯に、あたたかな気持ちで接したいと心から思うのです。