元上司が認知症に
上司といっても90歳を越えた男性である。
当法人の会長として活躍していた私の尊敬する方。
話しは上手く、書道を教えられるほどの字を書き、認知症になっても穏やかでユーモアもある。
大の酒好きで「病気になっても飲みたい」という程、毎晩の晩酌はかかせない。
初めて会った17年前は、優しさの中にも凄みがあり、近寄れなかったのを覚えています。
「物忘れが進んだ」と笑いながら、当デイサービスに通所開始。
デイサービスで楽しく、時には自宅に招かれお酒を酌み交わしたものの、一人暮らしが危険との判断から、数年前、息子さん宅に行くことになりました。
今では、年に1~2回自宅に遊びに行きます。
今でも変わらず毎晩の晩酌は続いています。
昨年末に行った時「帰りたい。近所に友達がたくさんいる元の家に」と涙目で訴えられました。
家族から見たなら一人暮らしが心配で、よかれと思い同居をするのです。
しかし、本人の希望は、どこにあるのか?
本人が、心から望むのであれば、一人暮らしの継続ができる社会になってほしいのです。
これからの時代、認知症になった時、地域で仲間たちでどこまで支え合いながら、自分の望む生活ができるのか・・・
おせっかいながらも、寛容な社会が認知症の人たちの生きやすい環境になると思います。
言うは易しですが・・・